【アルバムレビュー】OKAMOTO'Sの7th Album「NO MORE MUSIC」がめちゃくちゃ最高だった(前編)
OKAMOTO'Sのかっこよさ
音楽好きな人は適当にこう言います。
OKAMOTO'Sはすごい。
ほう、じゃあどこが凄いんだ?凄いハズなのに広い会場でライブやってなくない?何が凄いの?ジャンルは?ねえ答えて。
結局OKAMOTO'Sってどこがかっこいいの?
この疑問、みんな抱いてると思うんですよ。
若くして他のバンドを余裕で抜き去るほどの音楽センスと技術を持っていながら何かが足りていないような。
それはプロモーション不足なのか、会社と上手くいってないのか、邦楽のシーンにあっていないのか。
そんな器用貧乏なOKAMOTO'Sが作り上げた7枚目のアルバム。
「NO MORE MUSIC」
間違いなくOKAMOTO'Sの最高傑作だと思います。
(もうこのアルバム発売して20日くらい経ったよ...。なかなか書けなかった...)
今までの楽曲ももちろん素晴らしいです。かっこいいです。
でもどこか第三者視点だった気がするんです。OKAMOTO'Sの音楽的ルーツは60〜70年代のロックンロールだと思いますが、その音楽を目指し過ぎているような。正直古い音楽が好きな人はそれを聴き続けるし、新しい音楽が好きな人はそれを聴き続けます。
そんなOKAMOTO'Sを誰が聴くのか。そうです。音楽通ぶる人です。
音楽通ぶった人は言います。
「最近出て来た若手でさ〜かっけえバンドいるのよ、OKAMOTO'S。まじぱねえ!!なんて言うかさあ...60年代のロック?...わかるかな〜〜〜〜まあとりあえず聴いてみ?そう、これが横ノリ...まじロック、バリヤバめ、神!」
ラジオの時のアルコ&ピース、酒井さん風に言いましたが(わかる人居るのか)そいつはさらにこれを付け足します。
「しかもベースのやつ、ダウンタウンの息子なんだぜ?まじ卍〜〜〜」
はい。音楽のこと全然喋ってません。(だいたい喋ってる奴は通なのか問題は無視します)
まあ要するにOKAMOTO'Sってメディアとか音楽雑誌で天才みたいなくくりで紹介されるけどそうじゃないんです。
ただの音楽好きが集まったバンドなんです。
その4人が今まで作ってきた曲は、好きな音楽をひたすらリスペクトしたものでした。
それが今作「NO MORE MUSIC」では、26歳という若者たちがそのフィーリングと「OKAMOTO'Sらしさ」を全開に楽曲へと反映させています。音楽が好きということを単純に曲にしていて、それが伝わるのはとても素敵なこと。
それはこのアルバムのタイトルにも思いが込められています。
今回のアルバム、やっぱりロックファンクの一つの答え、アメリカの殿堂入りしたバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの影響が濃いと思いました。
とまあゴチャゴチャ書いたけど、とりあえず気になった曲についてのアレソレを書いていく。
01. 90’S TOKYO BOYS
はい、めちゃくちゃかっこいいですね。
ハマ「ヒロシさんがこの曲をそういう具合だと思っているのはよくわかります。僕らもこの曲だけは唯一、世に出すにあたってそういうことを考えているかもしれない。商業的に作ってやろうという意気込みで作ったわけではないですが、むしろ自分達の中では自然とやってしまった感じで。タイトル含め、こういう風に受けていくだろうなと一番予想できる曲です」
NO MORE MUSIC Issue : 90’S TOKYO BOYS feat. Hiroshi Fujiwaraneol.jp Page 3 | neol.jp - Part 3
本人たちは商業的に作ったと公言していますが、そうう感じさせていないです。それは邦楽ロックシーンでまだこういう曲が浸透していないからです。
ずっとこういう路線を切り開いて来たのはOKAMOTO'Sで、最近だとsuchmosとかYogge New Waves(どちらもCDショップ大賞ノミネート...)とかもこういう横ノリ音楽を作ってブレイクしました。
でもOKAMOTO'Sがそれと違うのは根底にある音楽の違いです。彼らはダサい音楽が好きなんですよ。
この曲もすごくかっこいいけど歌詞は女々しさを感じるダサい歌詞。
朝からワイン 気だるさで
あなたとキッス 酔っ払った
味のする dance in the morning in the morning
目が覚めないまま sweet sweet dream
女々しさを感じるところだけ英語にしていますね(笑)
曲調はファンクな一曲。ブラックユーモアな世界観でOKAMOTO'Sならではのノスタルジーな雰囲気を作り出しています。
こういう曲はリズム隊の圧倒的演奏力が光りますね...。
アルバムのリード曲だし、タイトルもまさしくOKAMOTO'Sと言ったらこれ!みたいな曲を作りたかったのが伺えますが見事に成功している気がします。
一曲目にこれ聞いちゃったら全曲聞いてしまう...(笑)
02. BEDROOM
R&B調のリズムにディストーション効かせたオカモトコウキのギターがすごくかっこいい。サビはショウのファルセット。自然と体が揺れてしまうような曲。
眠れないのいつからだっけ? 昔は1人で寝てたのに
You only call me when you’re drunk
Waiting in my Bedroom
泣きそうだずっと 暗い夜だけの相棒なんて
That’s too cruel for me yeah (wow)
Bedroomだけの恋だなんて
I wanna live with you more(wow)
歌詞は相変わらず女々しいですが、英語を含ませることでなんとなくそれを消してますね〜。うまいな...。
03. BROTHER
このアルバムの一つ目の盛り上がりの場所ですね〜。
めちゃくちゃに最高!!
ファンクなロックンロールを根底に入れつつ、OKAMOTO'Sの新しい形を作った一曲だと思います。
この前の二曲はギターベースドラムで構成されていましたが、この曲でサックスなどのストリングスも入り、コーラスもすごいいろんなチャンネルで装飾しています。
最後のアウトロ前のBメロが最高すぎる。これぞブラックミュージック。ブルースだったりソウルの一面を持つこの曲、本当に楽しい。
Oh Brother! Where are you? I hope you’re doing fine
We’re not young like we were but not old enough to quite
Oh Brother! How’s your life? I know there’s still so many
Stupid things around just like we used to talk on phone all night
Oh Brother! I want to sing like I talk to you
I’m trying to find the right word but
歌にならない!
この歌詞が好き。
Oh Brother! I want to sing like I talk to you
I’m trying to find the right word but
勝手に和訳すると「ブラザー、君と話すように歌いたいんだ、正しい言葉を探そうとしてるけど...歌にならない!」
的な感じ...。
OKAMOTO'Sが抱えるもどかしさとかショウのありのままの言葉が英詞に書いてあって好き。
04. NEKO
いや最高かよ!!!!!!!
と言ってもアルバムのこの曲には呂布とMUDは参加していません。
正直いうと前述したお二人が参加している方が好きです。(笑)
OKAMOTO'Sの曲ってラップとかなり親和性が深いんですよね。サチモスとかのシティーポップもそう。そして最近のヒップホップブームもあってこういう曲が出来上がったのは必然かな、と思います。
めちゃくちゃに完成度高いです。
単純に聞いてて「気持ちが良い」音楽。
特にリズム隊が本当に..。
ハマオカモトの知名度はすごいですし星野源とかのベースとして参加もしているベーシストなんですけど、この曲のハマのベースはすごいです...。単純なフレーズが続きますが(ヒップホップはだいたいそう)そのフレーズが難しいですしサビの主張しすぎない目立つベースがかっこ良すぎます。レイジのドラムも安定感抜群ですし、スネアの音がよいです。
はい、いっぱい書きすぎたので後編と分けます。
後編はアルバムのタイトルでもある「NO MORE MUSIC」っていう最高の曲もあるよ!!!
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続く。